Rubyを使った開発の注意点とコツ

私達がRubyをお奨めする理由でご説明したように、生産性が高いRubyですが、上手に利用するために、私たちは次のようなポイントに気をつけています。

お客様にもぜひご協力をいただけましたら幸いです。

1. 開発要員の確保に時間が必要

Ruby や Rails では、ある程度の経験のある人員でチームを組むのが望ましいです。
多機能なWebアプリケーションフレームワークであるRailsには、その機能を自在に利用できる知識・経験が重要になってくるためです。

最近はRuby案件の数も多くなっており、経験豊富なRubyプログラマの確保には時間がかかります。 開発体制の準備はなるべく早い段階から、余裕を持って開始できるとスムーズです。

事情ご理解の上、できるだけお早めのお問い合わせをいただければありがたく存じます。

2. Rubyに向いた開発環境

Rubyの豊かな情報やコミュニティを最大限生かして、効率の良い開発を進めるためには、いくつか重要な活動があります。インターネット上の情報に自由にアクセスしたり、企業を超えた Ruby エンジニア同士のコミュニティの場に質問を投げたり、といった活動です。
また、私たちの会社では、社内の技術者同士で、プロジェクトを超えての技術情報の交換や助言も活発に行っています。

そのため、お客様のオフィスに常駐にて開発を行います場合にも、なるべくインターネット上の情報の自由なアクセス、そして社内のチャットのやりとりにご理解いただければと思います。安定した開発支援サービスを提供する上で、とても重要なポイントになります。
お客様の会社のネットワークセキュリティポリシー等との兼ね合いで、難しい場合もあるとは思いますが、できるだけご相談させていただければ幸いです。

また、開発支援サービスにおいて、開発機を貸与いただく場合がございますが、Windows 上での開発は(特に)Railsを使った開発には適しておりません。Mac OS XやLinux等、Unix系のOS上での開発をさせていただけますよう、ご協力いただけましたら幸いです。

3. Rubyやライブラリのバージョンアップを計画に織り込む

Ruby や、Rails をはじめとする各種のライブラリ(gem)は、頻繁にバージョンアップが行われます。
私たちの会社では、Ruby や Rails のバージョンを固定したまま開発・保守を行うことはお奨めしておりません。
バージョンアップは、セキュリティの問題を解決し、速度を改善し、開発を推進する便利な機能を提供するために行われます。バージョンを固定することは、これらの恩恵を享受できず、セキュリティなどの必須の問題解決に、必要以上のコストを支払うことになります。
「最新ならこう解決するのだけれど、古いので仕方なく個別にこうする」といった解決を重ねていると、システムがガラパゴス化します。最新バージョンとの距離が開けば開くほど、使っているバージョンのサポートが終了するなどして、やむなくバージョンアップに踏み切る際に、たいへんなコストやリスクを支払うことになりかねません。
また、古いバージョンになればなるほど、優秀なエンジニアのアサインも難しくなってしまいます。

結論として、日常的に各種のバージョンアップを行うことをお奨めします。さらには、Railsなどが大きなバージョンアップをするときは、予算を割いて、はやく上げる、ということをなるべく最初から予算計画に織り込んでいただくことで、安全で開発のしやすい体制を維持することができます。